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読んだ本 グラハム・ベル2

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グラハム・ベル1 の続き

そんな電話の発明家として富も名声も得たベルでしたが、職業を聞かれると、
「聴覚障害者の教師」と答えていたそうです。

ベルは聴覚障害の一番の問題は障害者が社会から孤立していることだと考えていました。

ベルは聴覚障害者がコミュニケーションをとるために読唇術と発声法を学ぶことをすすめ、手話には否定的でした。
それは、手話を聴者が覚えない以上、仲間うちでしか使えない方法。
つまり、社会的孤立を招く原因でもあると考えていたのです。

手話を否定する、この考え方は当時から賛否両論があり、他にも差別的な発言をするなどして、ベルの活動は必ずしも万人の理解を得られてはいませんでしたが、聴覚障害者と社会の壁を無くすことは彼の信念になっていました。

ベルが設立した聴覚障害児のための学校では、授業こそ別々に行われていたものの休み時間には聴者と聾者が一緒になって遊んでいました。

ベルは晩年、こう明言しています。
『聴覚障害教育のための仕事や関心を認められるのは、電話の仕事を認められる以上に光栄なことだ』と…。

☆☆☆☆☆

グラハム・ベルについては、電話の発明家ということ以外ほとんど、知識もありませんでした。

今回ベルについて伝記を読んでみて、こんなにも聴覚障害教育に情熱を注いでいたとは知らず、本人の気持ちと名声は、必ずしも一致するものではないと思いました。
電話は、莫大な利益をもたらした一方で、聴覚障害教育への功績は認められながらも賛否があったように、本人の思いほどは評価はされなかったようです。(一部からは極悪人とも…)
手話を紹介している私にとってもベルが手話否定派だったことは、少しショックでした。

以前、読んだ『みんなが手話で話した島』でも障害は、社会がつくるものだという事が語られていましたが、ベルもまた、社会からの孤立を問題としてかかげ、それを解決するための『読唇術と発声法の学習』でした。
電話が生まれる前の時代に、世の中が障害者へ理解を深めるよりも、障害者が世の中に適応する道をすすめたのは、自然な考えであったとも思います。

今日では、電話もスマホに進歩し、メールでのやりとりをしなくてもテレビ電話を使って手話で会話するという事もできるようになりました。
ベルは電話のことばかり聞かれて少々うんざりしていたかもしれませんが、現代の様子をみたら、あらためて自分の作った発明を自慢したくなるかもしれませんね。

この他にもヘレン・ケラーにサリヴァン先生を紹介したり、ナショナルジオ・グラフィック協会の設立にたずさわったりと知らなかったエピソードも知ってへぇーの連続でした。
興味がある方は読んでみてくださいね♪

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