聴覚障がいの女の子の恋愛を描いて話題の漫画、
『ゆびさきと恋々(れんれん)』
待望の2巻が発売されましたね♪
2巻の中に出てくる手話の一部を紹介します。
(3巻はこちらから)
でも、伝わらないところをあれこれ想像するのも楽しみの一つかと思いますので、
読み終わった後に見てくださいねー。
◆逸臣が雪に手話を教えてもらって「もっと」の次は? の後の左上ページ
とても小さいコマですが、ここは『なぜ』『どうして?』や『理由』で使われる手話かと思います。
なぜ?/理由/わけ
左手を水平に置いて、その下を右手の人差し指を立てて滑るように2度くぐらせます。
(左右は逆になっても大丈夫です)
1度だけくぐらせると『理由・わけ』といった意味になります。
◆雪の中の帰り道、逸臣の『俺も、雪は好き』の言葉にドキーっとなる雪のシーン
逸臣も言っているとおり、これは雪の手話です。イメージどおりで覚えやすい手話ですね。
雪ちゃんの名前もこの手話で表すことができます。人名は同じ漢字の手話で表すことも多いです。
雪
人差し指と親指で輪っかを作り、手首をひねって輪を振りながら下におろします。
雪が舞い落ちる様子を表しています。下ろす速度や回数で雪の量を表せます。
◆逸臣が『好き』の手話をたずねて雪が思わず早とちりするシーン
好きの手話は、『~したい』の意味でも使われます。『嫌い』も似ている手話なので一緒に紹介します。
好き / ~したい
親指と人差し指を伸ばしてアゴの下にあてて、
その指を閉じながら下げます。
嫌い
親指と人差し指をつけて、あごの辺りから開きながら下ろします。
◆帰り際、次の予定の約束をするシーン
逸臣ように、察しが良くて会話の中ですぐに手話を覚えてしまう人っているんですよね。羨ましい。
彼の言う通り『約束』の手話です。『必ず』の意味でも使われます。
約束・必ず
両手の小指をからめて、指切りげんまんのように上下にふります。
指をからめてから、そのまま離すと約束を破るになります。
◆電車の中で桜志と出会って行先をつげるシーン
図書館、時間、帰る、重いをまとめて紹介します。
図書館 本と建物の手話の組み合わせで表します。
本:両手の手の平を拝むように合わせてから、本を開くように開きます。
続けて↓
建物:両手の平を向い合せて、垂直に上げた後、手の平を下に向けて人差し指を揃えるように合わせます。
ビルの形を描くイメージです。
時間
左手首の甲側を右の人差し指でさします。
腕時計を表現しています。
帰る
開いた手を、斜め下へ降ろしながら指をすぼめていきます。
重い
両手の手の平上向きにしてから胸のあたりからゆっくり降ろしましょう。
表情や動きで重さの度合いを表現するとより伝わりやすいです。
◆桜志の前に逸臣が現れ、雪を抱えるシーン
「用事ってそいつかよ」の時の手話は、『運』、『偶然』、『都合』などの意味がありますが、
文脈から見て『都合』だと思います。
(『用事』の手話もあり、厳密にいうと違いはありますが、会話の中では『今日は用事があって』と『今日は都合があって』を意識して区別している人は少ないと思うので、その程度にとらえて良いかと思います)
都合(運・偶然)
左の手の平の上で、縦にした右手のコブシを小さく2回、回します。
◆桜志と逸臣が睨み合い雪が心配そうにどうかしましたか?と言うシーン
雪が一指し指を振っているのは『何?』『どうしたの?』など疑問文で使う手話です。
後のシーンで逸臣もつかっています。
何? どうしたの?
人差し指を1本立てて、軽くふります。
ものをたずねる時は表情も大切です。
何?、どうしたの?など相手に伝わるように表情を意識しましょう。
◆桜志が雪に向かってアホと言うシーン
これは指文字で『アホ』と表現しています。桜志が初めて雪に使った手話と同じですね。
あ:相手に手の平側を向けて親指を立て、その他の指は握ります。
ほ:手の甲側を相手に向けます、この時手を少しすぼめます。船の『帆』をイメージしてください。
指文字は日本語の50音を指の形で表したものです。他の指文字も気になったらメニューバーに指文字一覧があるので参考にしてくださいね。
◆人が通りかかって逸臣が雪を引き寄せるシーン
ここでは雪が逸臣に『ありがとう』と言っています1巻の手話で紹介しているので参照してください。
◆車の中で手話を教えるシーン
これだけだと、わかりませんでした。何だろう?
◆りん達と別れて帰りにふたりになって食事にさそうシーン
ここでは『一緒』と『食事』の手話が使われています。
一緒
両手の人差し指を伸ばして、中央で揃えます。
食事
左手は器を持つイメージで右手の人差し指と中指で、
口へ2回すくいあげるようにします。『食べる』も同じ手話です。
◆逸臣の家で楽しかったの手話をするシーン
『楽しい』と『嬉しい』の手話は同じです。
嬉しい・楽しい
両手を自分の正面で交互に上下させます。
この時、表情も大切です。嬉しい思いを相手に伝えましょう
◆逸臣の「あまえてんの?」の後に見つめ合うシーン
逸臣が小指をあごにあてて『いいよ』と言っています。これは『かまわない』の手話ですね。
(1巻の手話参照)
◆逸臣の家族の写真を雪が見るシーン
笑顔で小指を立てているのは『可愛い』の手話です。
(1巻の手話参照)
◆雪が口話の説明をしてスマホの内容を見せるのをためらったシーン
眉間に手をあてて手を出しているのは『ごめんなさい』の手話です。
すみません/ごめんなさい
眉間を親指と人差し指でつまむようにしてから、(迷惑の手話)
指先を伸ばして前におろします。
◆逸臣の『俺なら大丈夫ってどこまで』に雪が手話で答えるシーン
この手話の意味を伝えるのが、この巻のハイライトですね。
全部
両手で自分の正面で円を描いて、最後に小指どうしを側面でぴったりとくっつけます。
(くっつかないと『ほとんど』の手話になります)
巻末の解説によると、雪が頭の上から大きめに円を描いているのは、『ぜんぶ』というより『ぜーんぶ』というニュアンスの乙女心の入った手話にしたそうです。
手話は動きの強弱などで多彩な表現ができる言語です。
1巻では逸臣がどこまで本気かわからなかったけど、これはもう、そうなんでしょう?
でも桜志も黙ってないだろうし、ひたすら明るい雪ちゃんが一瞬かいまみせた影の部分が、
この恋に影響を与えていくのかもしれないし…続きが気になります!